自分の子供はこんなはずではなかった!?
皆さまこんにちは。
今日も幸せな老後のお作法へようこそ!
「家政婦は見た」という市原悦子さん主演のドラマをご存知の方も多いでしょう。
市原さんの独特の演技とストーリーは当時の高視聴率のドラマでした。
市原悦子さん演じる家政婦が、上流家庭の華やかな暮らしぶりの家庭に派遣され、そこで繰り広げられる陰謀・騒動・醜聞を覗き見し、最後に自分が見聞した事柄を家族全員が集まる席で洗いざらいぶちまけて去っていくというのがおおまかな毎回のストーリーだったのですが、市原さんの演技力とストーリにユーモアさえも感じたものでした。
さて、施設では、このようなドラマのようなお話を見聞きすることはありません。もちろんこちらからお聞きするようなこともありません。
でも滅多にあることではありませんが
「老後に自分の子供はこんなはずではなかった!」と感じる親御さんも中には、いらっしゃるのではと思うのです。
施設では、介護状態になられていても、皆様、穏やかにお過ごしになられ、微笑ましい光景も多々あります。そんな光景に私たちも嬉しくなりやりがいも持てるのです。
ご家族との関係も良い状態の方がほとんどだと感じています。
中には面会や、連絡をほとんどなさらない方もごく僅かいらっしゃいますが、できればお忙しくても、面会に来れないのであれば、たとえばお手紙を送られるとかちょっとした何かを送るなどなさると、とても喜ばれるのです。何と言ってもご家族が一番なのです。
ところが、もう随分と以前のことですが、このような事がありました。初めての事でした。80歳半ばで介護度5の入居者さまでした。経済的には、資産家のご様子で、入居費用の支払いには全く問題はなかったはずでしたが、ある時から、入居費用未払いが続き始めたのです。再請求をしなくてはなりませんから、何度かご家族に連絡を取るのですが未払い状態が続きました。もちろん面会になどお見えになることはありませんでした。
さて何があったのでしょう!
どうもご子息の事業が上手くいかなくなったようなお話でした。本当ならば、いかなることがあろうと、ご本人の年金などの資産のうち最低の生活に要するお金は守られなければならないのです。このことをご本人はご存知ありませんでした。私たちも、終末に近く、介護5のご本人にこのようなお話をすることはできませんでしたから。
施設に預けっぱなしで、料金も支払わない。こんな我が子の行動を知られたら、どんな思いになられたことでしょう。
介護状態になられた方のほとんどは、お金の管理など、もうお出来にならず、お子様など親族の方々がなさいます。中には後見人を任命されている方ももちろんいらっしゃいます。
今日申し上げたいことは、元気なうちに、ご自身の考えやお金の整理をしておくことが必要なのではと思うのです。介護状態になってからでは遅いのです。
介護が必要になった時に自宅で過ごす、施設に入る。
施設も料金には高額のところから、特別養護老人ホームなどの料金が低額など利用料の上下の差がありますが、若い時に比べるとそんなにお金は必要ではなくなってきます。医療費も高額療養費として、一定の費用を超えると払い戻しの制度があります。ですから、多額なお金を自分一人で持ち続けることも必要ないかもしれません。もちろん、ご自身の状況によますから、自由にお考えになることが一番ですが。
元気なうちに、ご家族へはご自分の考えをきちんとお伝えになっておくほうがいいでしょうね。必要以上のお金はいらないでしょうが、自分で管理できなくなっても必要な分だけは確保しておくことです。
私たちもピンピンころりといくなら良いかもしれません。残念ながら、ピンピンころりといく人は、数パーセントに過ぎないのだそうです。たとえば心筋梗塞でころりというわけにはいかないのです。普通は、ピンピン過ごし、よろよろとなり、どたりとなり介護を受けるというのが普通なのです。
介護を受けることが決して悪いわけではありません。順送りなだけです。介護する側から、介護される側になるだけなのです。
人生いろいろあると言えども、皆んな人生を豊かに幸せに安心して最期まで過ごしたいものです。
今日申し上げたお話は、心が痛むことでしたが、このようなトラブルをなくすために、
親子間でのオープンな話し合いは大事ですね。よく理解し合うこと。ダメなことは、はっきりダメだと言っておくこと。親子だからこそ必要なのでは無いでしょうか。幸せな老後のお作法の一つに加えては如何でしょうか。
いかがですか?一つでもお役に立てたら嬉しいです。